「鬼北町庁舎保存再生を考えるシンポジュウム」開催のご案内



 拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

私達“鬼北町庁舎保存再生活用を考える会”は地元商店主や建築関係者及び一般住民の集まりです。本庁舎は建設当初から洗練されたモダンなデザインの庁舎を「町の文化資産」として使い続けて行きたいと願っています。

 

ご存じのように、鬼北町庁舎(旧広見町庁舎:昭和33年築)は近代建築の代表的建築家アントニン・レーモンド(1888~1976)の設計事務所に勤務していた地元出身の中川軌太郎氏がアントニン・レーモンドとともに設計し、近代建築史上重要でありその優美な造形に魅了される建築であります。

しかし、市町村合併に伴い庁舎内での機能不足や建築後の経年による老朽化そして、耐震改修促進法による耐震性能要求など多くの難問を抱えています。

この度、これらの問題点を各専門家の先生方をお呼びして、勉強会を開催することになりました。国内のリノベーションの事例を伺いながらお話をお聞きしたいと思っています。お忙しいと存じますが、是非ご参加下さいますようご案内申し上げます。





開催日時  平成22年4月25日(日曜日)

午後1時~4時

場  所  鬼北町近永公民館



司  会  愛媛大学教育学部教授     曲田清維  氏

パネリスト 東京工業大学教授 (建築史) 藤岡洋保  氏

ドコモモ・ジャパン(建築計画)兼松紘一郎 氏

関西大学准教授  (建築構造)西澤英和  氏



主  催  鬼北町庁舎保存再生活用を考える会

共  催 (社)日本建築家協会四国支部愛媛地域会



後  援 (社)日本建築学会四国支部愛媛支所

     (社)愛媛県建築士会

     (社)愛媛県建築士事務所協会









<参考>鬼北町(旧広見町)庁舎・講演会パネリストのプロフィール(五十音順)



兼松 紘一郎(かねまつ こういちろう)

建築家 兼松設計主宰 1940年 東京杉並に生れ。1962年 明治大学工学部建築学科卒

現在、(社)日本建築家協会(JIA):「建築アーカイヴ委員会」委員。JIA-KITアーカイヴス運営委員。 JIA関東甲信越支部保存問題委員会WG主査、建築家写真倶楽部部会長、DAAS運営委員(JIA担当)(社)日本建築学会:歴史的建築リスト整備活用小委員会委員。DOCOMOMO・JAPAN幹事長、神奈川県立近代美術館100年の会(近美100年の会)事務局長。熱海市「旧日向熱海別邸等研究委員会委員」など。

「文化遺産としてもモダニズム建築―DOCOMOMO20選展(1999年)、同100選展(2005年)」の事務局長や、日本建築学会「歴史的建造物保存活用ガイドライン検討特別調査委員会」委員などを務める。



西澤 英和(にしざわ ひでかず)

関西大学准教授 工学博士。建築保存学、専門は鉄骨構造、耐震工学、文化財修復工学など。

1951年大阪生まれ。1974年京都大学建築学科卒。1976年同修士終了。1985年同工学博士。

今までの代表的な仕事として、薬師寺大講堂の復元構造設計、平城宮朱雀門・同東院建物群の復元構造設計、登録文化財旧日本銀行岡山支店のコンバージョン、国重要文化財旧山邑家住宅の保存修理工事、国重要文化財 清水寺三重塔の保存修理工事、平安女学院明治館の修復保存工事、

神戸市指定文化財 竹林寺保存修理工事など



藤岡 洋保(ふじおか・ひろやす)

1949年広島市生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科教授 近代建築史専攻 東京工業大学工学部建築学科卒業、同大学院修士課程・博士課程修了。工学博士。明治大学助手などを経て現職。DOCOMOMO Japan前事務局長。

建築における「日本的なもの」の系譜や、日本の建築界への「空間」概念の導入など、建築思想史に関する研究や、近代の神社建築史、灯台の技術史的研究、近代の文化財保存事業についての建築史的研究などを手がける。近代の建造物の保存にも関わる。

著書に『合目的性を越えた意匠の世界 谷口吉郎自邸』(新建築社、1997)、『清家清』(共著、新建築社、2006)、『表現者・堀口捨己─総合芸術の探求─』(中央公論美術出版、2009)など。